日商簿記3級のネット試験と統一試験との違いとは?ネット試験のメリットデメリットも紹介

簿記ネット試験違い

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簿記検定を調べていると、「ネット試験」という単語が出てきます。普通は学校とかで受験するペーパーによる統一試験とは違うようで、良いことも悪いこともありそうです。ここでは、ネット試験の内容と統一試験との違いを解説したいと思います。

目次

ネット試験はなぜ導入された?

日本商工会議所では、

日商簿記検定試験につきましては、新型コロナウイルス禍による試験会場確保が困難な状況も考慮し、従来の年3回の統一試験日での実施に加え、随時試験実施可能な「ネット試験方式」を導入することといたしました。

日本商工会議所HPより

として、ネット試験方式を導入して、2020年12月に開始した初日には、900人が受験をしています。

このネット試験の実施により、土日に休みが取れない人なども受験機会を与えられ、広く受験をすることが可能となりました。

名前は「ネット試験」なので「ネット」と言われると、家のインターネット環境で受験するのかと思いきや、試験会場にあるパソコンを使っての受験なので、実質的にはパソコンでの受験となります。

ネット試験は、どのような試験なのか?

ネット試験は、通常の簿記検定と出題範囲・試験時間は同じですが、解答方法が、紙に記入するのではなくて、パソコンで数字を打ち込んだり、プルダウンで勘定科目を選ぶことによって解答を進めていきます。そうすると、パソコンで正解不正解を判定することができるので、試験終了後すぐに合否が解る試験となります。

今は、簿記検定や日商プログラミングなどの試験科目は限られていますが、今後多方面で導入されることが予想されます。

ネット試験は、どこで受験できる?

全国140箇所以上の試験会場で受験することが出来ます。統一試験では学校が主な受験場所でしたが、ネット試験では小規模なパソコン教室などでも受験できるところがあります。詳しくはここでご確認ください。

ネット試験での注意事項は?

統一試験と同様に、替え玉受験を防止するために、運転免許証など身分証明書が必要になります。持っていない人は、事前に事務局への問い合わせが必要になるようですね。

統一・ネットの共通事項

出題範囲と試験時間

出題範囲や試験時間は両試験で同じです。統一試験もネット試験も、試験時間は3級で60分間です。

資格としての価値

合格すれば日商簿記検定3級の資格を取得でき、履歴書に記載することが可能です。資格としての価値に差はありません。

統一・ネットの違い

解答方法

解答方法に違いがあり、統一試験では解答用紙に記入するのに対し、ネット試験ではパソコンに直接入力します。プルダウンでの選択をし、金額をテンキーで入力しますが、試験に慣れが必要になると思います。

受験にかかる費用

受験料は同じですが、事務手数料がかかることが多いため、ネット試験のほうが高くなることが多いです。つまり、受験に要する費用が異なります。

合否判定の期間

合否判定についても異なります。ネット試験では試験終了後すぐに結果が分かりますが、統一試験では結果が出るまでに2~3週間かかります。

申込方法

申し込み方法も異なり、統一試験は商工会議所やコンビニの端末で申し込むことができますが、ネット試験は専用のウェブサイトから申し込みます。また、ネット試験では受験票が発行されないため、試験当日は受験者IDとパスワードが必要です。

合格率

傾向として、ネット試験の方が合格率がやや高い傾向にあるとのデータもあります。

受験日

受験者は自分のライフスタイルや学習スタイルに合わせて、どちらの試験形式を選択するか決めることができます。ネット試験は柔軟なスケジュールで受験できる一方で、統一試験は年に数回のみの機会ですが、伝統的なペーパーベースの試験環境を提供します。

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ネット試験のメリット

ネット試験のメリットとしては

直前での受験申込が可能

概ね3日以降の試験を予約可能です。

自分である程度自信が出来たときとかに、受験することが出来ますし、逆に達していないと思ったときは見送ると言ったスケジュールの調整が可能となります。ですが、定まっていない事により、勉強をダラダラ進めてしまい、結果として受験するに至らないこともあります。

セルフマネジメントにより、スケジュール感をしっかり持った上での受験が必要です。

受験機会の拡大。

平日夕方や土日の午後などでも受験をすることが可能です。それにより、統一試験を実施している日曜日に休みを取れなかった人でも、受験機会を与えられます。例えば、就職活動を開始する際、エントリーシートの特技資格の欄に書くことがない場合でも、勉強を始めて短期間で合格をすることができれば、その日からエントリーシートの特技資格の欄に記載することが可能となります。

当日に合否が確定

先程の通り、パソコンを使った試験のため、解答チェックは一瞬で終わるため、その場で合否がわかります。受かったか落ちたかわからない、もやもやした期間がなく、たとえ落ちたとしても、次の受験スケジュールをすぐに立てることが出来ます。

ネット試験でのデメリット

パソコンでの入力

ネット試験はパソコンを使った試験になりますので、普段マウスを使っていない人の場合だと、まずは慣れる事が必要になります。

マウスのプルダウンで科目を選ぶのも、モタモタしていると時間を無駄に消費してなくなってしまいます。そういう人は、統一試験を受験することをおすすめしますが、普段仕事でマウスを使ったり、数字を打ち込んだりする人は逆に有利になります。

目標を設定しにくい

試験日が自由に設定できる反面、開始する日をズルズル先送りしてしまうことがありそうです。試験日から逆算して、例えば2ヶ月後に受験となった場合に、ダイエットと一緒で「あしたからでいいや」となっていつまで経っても始められないということもあります。資格は人生に役立たせる知識なので、なるべく早く取ったほうが良いのはわかっていても、悲しい人間の性で先送りしてしまうリスクがあります。

画面に問題

画面を見て解答を作っていきますので、目線が画面、下のキーボードやメモを行き来しますので、慣れないと時間がかかってしまいます。

また、画面にメモやチェックを入れることが出来ないため、本来なら、問題にいろんなことを書き込みたいと思っても出来ません。画面を見ながら問題を解く練習も重要になってきます。

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ネット試験?統一試験?

では、ネット試験か統一試験かどっちが良いかという問題が出てくると思います。コレだという正解はありませんが、得手不得手やスケジュールによって選んでいく事がいいと思います。具体的には

統一試験を目標に置きながらネット試験を併用

統一試験の良いところは、日程が確定しているところだと思います。日程は、人が決めた日程に従って動いていくほうが、自分で決めなくて良いためその方がいい場合が多いと思います。自分で決めると、決めきれないことがありますが、統一試験は動かすことができないため、それに従って半ば強制的にうごいていくので、自分としても覚悟をしやすくなります。ですが、間に合わなかったり、合格レベルにもう少し足りない場合には、統一試験を受けたとしても、その1ヶ月後にネット試験を受験することによって、やったことを忘れてレベルを落とす前に再受験をすることが可能です。

試験の格は変わらないので、合格できればどちらでもOK

ネット試験だと、レベルが低く見られるのではと心配する人もいますが、日本商工会議所では、公式に「統一試験でもネット試験でも、合格の資格は変わらない」と発表していますので、ネット試験だからといって負い目を感じることは全くありません。むしろ、うまく時間を使って短期集中することも可能です。

最後に

ネット試験は新しい制度なので、うまく使いながら無駄な時間を過ごすことなく合格に結びつけていくことが大事です。

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この記事を書いた人

アラフィフで非経理のサラリーマンです。
私は高校の時に簿記を勉強してた時に、「簿記って面白い」と感じて、専門学校に進学し、簿記1級を合格。卒業後は一般企業に就職しますが、税理士の資格を最終的にとることができました。

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