簿記を勉強していくと、最初の段階で出てくる「当座預金」。銀行の口座っぽいというのはわかりますが、この当座預金ってどういうものでしょうか?
当座預金って何?
当座預金は、事業用の預金口座です
一言で言うと、事業用の預金口座になります。
銀行預金には、主に普通預金と当座預金があり、普通預金は主に家庭用の口座となり、普段皆さんが使っている口座になります。
当座預金口座は、少し特殊で引き出すための手続きとして、小切手帳という、冊子になっているものに金額などの必要事項を記入して渡すと、相手は現金にすることが出来るというものになります。
つまり、その都度銀行に行って現金を引き出して、お金をもって渡す相手のところに行かなくて済むというメリットがあります。ただ、当座預金を預け入れる等の場合には、通常窓口に行かなければならず、現金をもらった場合には不便かもしれません。
また、普通預金では一定金額以上の引き出しなどは出来なかったりしますが、当座預金は事業用の預金のため限度はありません。
また、当座預金は受取手形や支払手形などでお馴染みの、「約束手形」を扱うことが出来ます。
- 預け入れは窓口で
- 引き出しの限度なし
- 小切手や手形を扱える
ってことで、大まかに当座預金=事業用の預金口座で、小切手が使える。ぐらいの認識で大丈夫だと思います
簿記3級での当座預金の注意事項
簿記3級で、問題を解いていく段階において、注意しなければならない点は、3点あります。この3点だけを押させておけば、大きな失点には繋がらないと思います。
小切手をもらったら?
シンプルに現金として処理
先ほど、当座預金は小切手が使えるといいましたが、自分から振り出した小切手と、相手が振り出した小切手は、扱いが全く違うということに注意が必要です。その考え方としては、小切手は「当座預金から引き出した現金」と理解するのが一番いいと思います。
つまり、自分から小切手を振り出す場合には、「当座預金から引き出す現金」だから、当座預金残高が減ります。
では、もらった小切手はどうなりますでしょうか?それも、相手の「当座預金から引き出す現金」となり、結果として現金ですから、現金として処理します。
自己振出小切手とは
自分が振り出した小切手が、回り回って自分に来る?
それで厄介なのが、「自己振出小切手」となります。自己振出小切手とは、自分が降り出した小切手が現金化されずに戻ってくるという、滅多にないパターンだと思います。
普通だと、仕入れの代金として振り出した小切手が、全て返品されて戻ってくるぐらいの話だと思います。
純粋に、自己振出の小切手をもらった場合には、どのような処理になるでしょうか?これも、「当座預金から引き出す現金」として考えておくと、「当座預金から引き出した」常態現金化されずに小切手が戻ってきますので、減らした当座預金が、減らずに小切手が戻ってきますので、「当座預金の増加」として処理をします。
当座借越って?
お金を支払いすぎで、銀行より自動貸付されるため短期借入金
当座借り越しって、金融機関と当座借越契約を締結することによって、例えマイナスになっても「小切手の不渡り」ということを避けることが出来ます。つまり、金融機関から一時的にお金を借りて小切手を決済するということです。
そのマイナス状態で決算を迎えたら、「預金がマイナスって何?」ってなるので、マイナス=銀行から借り入れている金額=短期借入金として処理します。
ただし、この処理をその都度やると、すっごい面倒なので、決算整理事項として処理することとしています。
まとめ
当座預金って、自分の生活になかったものだけに、イメージがわかないという人が多いと思いますが、小切手を振り出すと、それがお金になるという便利なものということで理解をしつつ、それは当座預金の口座から落ちていくということになります。そして、うっかり振り出し過ぎてマイナスになると当座借越となり、決算上は短期借入金となります。
そのイメージを持ちながら仕訳を切っていくことによって、間違えなくて実務でも使える知識につながると思います。