「しーくりくりしー」をたった5分で理解!簿記のしーくりくりしーの意味となぜこの仕訳が必要かをわかりやすく解説

しーくりくりしー

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簿記3級合格部 | 「しーくりくりしー」をたった5分で理解!簿記のしーくりくりしーの意味となぜこの仕訳が必要かをわかりやすく解説

簿記で出てくる「しーくりくりしー」や「しくりくりし」とかって、何をやっているのかさっぱりわからないや。とりあえず覚えておけばいいって言われたけど・・・。

簿記3級の勉強を進めていくなかで、呪文のように出てくる言葉が、この「しーくりくりしー(仕繰繰仕)」です。これって、そもそも何をやっているか、何を処理しているのか、「なぜこの仕訳が必要なのか」を理解せずに、パターンで暗記して解いている人が、ヤバいぐらい多いようです。

ここでは、簿記の「しーくりくりしー」を理解することができます

とは言いながらも、特に理解できないことをやっている訳ではありません。このような、一見意味不明な仕訳を理解していくことで、簿記の知恵を深める事ができます。

目次

「しーくりくりしー」とは

結論:しーくりくりしーは、仕入の勘定科目の金額を、「売上に対応する仕入の金額」に修正する仕訳です。

この「しくりくりし」は何をやっているかというと、「売上原価を計算」しています。売上原価って何かというと、売上に対応する仕入れた商品になります。詳しい話は以下でご説明しますね。


まず、前提条件として、この「しーくりくりしー」を仕訳にすると

仕訳

(仕  入) 〇〇〇/(繰越商品)〇〇〇
(繰越用品) 〇〇〇/(仕  入)〇〇〇

となりますが、理解しやすい2行目の

仕訳

(繰越用品) 〇〇〇/(仕  入)〇〇〇

「くりしー」から説明していきます。

1年目

まずは、事業を始めた1年目になります。

しーくりくりしー

市場で1個60円のリンゴを、10個600円現金で仕入れました。これを仕訳で表すと

仕訳

(仕  入) 600/(現  金)600

そのリンゴを、お客さんに3個売って、お客さんから現金300円をいただきました。これを仕訳で表すと、

仕訳

(現  金) 300/(売  上)300

売上は収益で、仕入は費用となりますので、そのままで期末を迎えて損益計算書を作成しますと、

損益計算書

売  上  300
仕  入  600
利  益 ▲300

と利益としては、300円のマイナスになってしまいます。確かに、現金の残高は600円で仕入て、300円で売ったため、現金はマイナス300円ですが、仕入れた単価より高くで売ったのに損が出てしまうのは、ちょっとおかしいですよね。

費用収益対応の原則

会計のルールで、「費用収益対応の原則」というものがあります。

簡単に言いますと、「費用として計上できるものは、収益に対応するものだけ」ということです。この、売上300円つまり、3個のリンゴに対応する費用というのは、いくらになるでしょうか?

この3個のリンゴは、1個60円で仕入れまして、3個で180円となります。3個のリンゴに対応する仕入の金額は180円です。そうすると、費用に計上できるものは180円になります。

また、のこり7個のリンゴは手元に残っていますよね。りんご7個はまた来期に売るために持っていますので、「来期に繰り越して売る商品」になります。

つまり、残った1個60円☓7個=420円は、売上に対応する仕入とはならず、残った商品として、次期に繰り越すため、貸借対照表の資産として表示させなければなりません。ですが、このまま仕入に残っていると、損益計算書に表示されてしまいますので、「しくりくりし」の2行目の仕訳である

仕訳

(繰越用品) 420/(仕  入)420

の仕訳で、残っているリンゴを繰越商品に振り替えます。これが「しーくりくりしー」の2行目の仕訳の意味になります。
この仕訳を切ることによって、損益計算書は

損益計算書

売  上  300
仕  入  180
利  益  120

となります。また、貸借対照表の資産には

貸借対照表

 資産
繰越商品 420

が残って決算を迎えます。

2年目

ここからは、年度が変わって翌年度である2年目になります。

しーくりくりしー

前年度から繰り越されたリンゴを、お客さんに7個全て売って、お客さんから現金700円をいただきました。これを仕訳で表すと、

仕訳

(現  金) 700/(売  上)700

この翌年度では、リンゴの仕入れを行いませんでした。それで、なにもしないで決算を迎えたとしたら

損益計算書

売  上  700
仕  入    0
利  益  700

となります。今度は、商品を売ったにもかかわらず、仕入が0円となりますので、利益が出すぎてしまいます。

費用収益対応の原則から言いますと、そのリンゴの売上7個に対応する費用を計上しなければなりません。その7個のリンゴは、繰越商品として前年度から繰り越されてきました、繰越商品の420円になります。

そうすると、貸借対照表に残っている繰越商品420円を、仕入の科目に振り替える必要があります。その仕訳が、

仕訳

(仕  入) 420/(繰越商品)420

それにより、損益計算書は

損益計算書

売  上  700
仕  入  420
利  益  280

となります。また、貸借対照表は

貸借対照表

 資産
繰越商品   0
(420-420)

となります。

つまり、費用収益対応をさせて、仕入の金額に前年度の商品を足して、翌年度に繰り越す商品を引く事によって、仕入の金額を、売上に対応する金額に修正することができます。

売上原価とは

この売上に対応する仕入の金額を「売上原価」と言います。売上に対応する原価(費用)として理解しておきましょう。仕入の勘定科目を図解しますと


しーくりくりしー 

貸借は一致しますので、算式で表すと、

期首繰越商品+当期仕入高ー期末繰越商品=売上原価

となります。

仕訳でまとめますと

仕訳

(仕  入) 〇〇〇/(繰越商品)〇〇〇
(期首繰越商品を仕入勘定に加える)
(繰越用品) 〇〇〇/(仕  入)〇〇〇
(期末繰越商品を仕入勘定から引く)

ということで、「しーくりくりしー」の仕訳になります。

皆さんは、理解できましたでしょうか?

まとめ

当期における費用収益を対応させるために、この「しーくりくりしー」の仕訳を切っています。たったこれだけの話ですね。

「しーくりくりしー」など、簿記では初めて習う人にとっては難しいことがありますが、テキストなどで勉強するのも良いですが、講義動画で勉強することが早く深く理解が進みます。CPAラーニングでは講義動画やテキスト、テストが無料で利用することができます。無料なので、悩む前に一度お試しいただければと思います。

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