簿記3級は難しいですか?
就職活動をするときとか、会社に入って推奨資格として名前が上がったり、そもそも、経理に配属されたりして、社会人になると急に簿記が必要になってきますよね。
単にダラダラと時間をかけて勉強をしても身につかないということで、簿記の検定試験ってどうなんだろうってなりますよね。
ですが、簿記が、まずどういうものかが全然わからないと、検定試験を受けていいのか、それとも苦手そうだから諦めたほうが良いのか、わかりませんよね。簿記という単語すら初めて聞く人もいるかと思います。
全然わからないままに、「簿記がんばります!」と会社で言ったものの、めっちゃ苦手な分野だったりします。そういう人のために、簿記ってどういうものかを、わかり易く解説しますね。
簿記3級に入門の前に
簿記を理解する上で、いきなり貸借とか複式簿記とか言われても「全然わからない」という人がほとんどだと思います。
簿記はこづかい帳の延長
簿記を、最も簡単に言うと「会社のこづかい帳」だと思ってください。こづかい帳は、お金をどれだけ使ったかを記入することになりますので、貰ったお金がちゃんと残っているのか、また使い方がおかしくないかをチェックするために便利です。
会社も、お金をどのように使って、どのようにして儲かったかをしっかり把握する必要があります。ですが、こづかい帳の場合だと、最終的にお金がいくら残っているかだけで十分かもしれませんが、会社の場合に、最終的にお金がいくらだったかだけだと、何で儲かったかとか、どういうものが残っているかということが、一切わかりません。そこで、現金以外の取引についても、記入する方法となっています。
こづかい帳ってこんな感じ
簿記はこづかい帳の延長ということでしたが、具体的にどの様になるのかを比較していきたいと思います。
まず、こづかい帳はこんな感じじゃないでしょうか。
日付 | 項目 | 入金 | 出金 | 残高 |
---|---|---|---|---|
7/1 | 雑誌 | 1,000 | 2,000 | |
7/5 | お菓子 | 500 | 1,500 | |
7/8 | コピー用紙 | 400 | 1,100 | |
7/10 | 郵便切手 | 200 | 900 |
この、こづかい帳をご覧になると気づく人も多いかもしれませんが、こづかい帳は「お金」の動きを記載しています。
こづかい帳を複式簿記に
これを、複式簿記で記入するとこうなります。
日付 | (借方)勘定科目 | 金額 | (貸方) 勘定科目 | 金額 |
---|---|---|---|---|
7/1 | 雑誌 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
7/5 | お菓子 | 500 | 現金 | 500 |
7/8 | コピー用紙 | 400 | 現金 | 400 |
7/10 | 郵便切手 | 200 | 現金 | 200 |
勘定科目は、こづかい帳をそのまま使っていますが、こづかい帳と違うところがありますよね。
- 左右に勘定科目(項目)と金額が記載されている
- 右側に現金が記載されている。
- 借方・貸方と記載がある
初めて複式簿記を見る人もいるかと思いますが、こうやって左右に別れて勘定科目と金額が記載されています。こうやって左右に金額を記入することによって、全体でも左右の金額が同一の金額、つまり「バランスする」状態になります。
なぜ左右?
勘定科目毎にこづかい帳のような台帳を作成するより、左右で仕訳を切ってそれをまとめたほうが、簡単に集計できますよね。また、左右の金額に誤差が生じると、どこかで間違えているということになりますので、間違いをいち早く確認することができます。
複式簿記の目的
最終的に簿記は、何をするために作成するのでしょうか?
それは、財務諸表を作成するためです。財務諸表と言われてもピンとこない人が多いと思いますが、貸借対照表と損益計算書になります。貸借対照表は、会社の資産負債資本をまとめた財政状態を示すもので、損益計算書は、会社の経営成績を示すものになります。
「貯金や株式が◯◯◯万円」は、財務諸表でいう「貸借対照表」で、たとえば12月31日時点というふうに、時点での状態を示します。また「年収◯◯◯万円」は、財務諸表でいう「損益計算書」で、1年間の収益など示します。
簿記の全体の流れ
全体の簡単な流れを言いますと、会社における取引の「仕訳」を切っていき、最終的に財務諸表である貸借対照表と、損益計算書を作成することが、簿記の目的となり大きな流れになります。
ここで理解してほしいことは、
- こづかい帳と違って簿記は左右に記入する
- 簿記はの目的は財務諸表を作成するため
- 財務諸表の、貸借対照表は時点の財務状況、損益計算書は期間の経営成績
となります。
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